債務整理の方法として、任意整理を選択した場合、いくつかのメリットがありますが、他方で、デメリットもあります。
(１) 任意整理のメリット
①任意整理を弁護士等に依頼した場合、債権者に弁護士介入通知がなされ、債権者から本人への取立て行為がストップします。
②任意整理は、裁判所を介した手続ではないので、比較的短時間で解決できる場合があります。また、裁判所を介さないので、裁判所に納める費用も、裁判所に足を運ぶ必要もありません。
③「引き直し計算」により、過去に返済した過剰利息分が元本へ充当されるので、借金の総額が減額されるだけでなく、過払い金が発生している場合にはそれを取り戻せる事があります。
④自己破産手続の場合のように、各種の資格制限がありません。
⑤自己破産手続や、民事再生手続と違い、官報や各地方自治体の破産者名簿に掲載されることがありません。
⑥多重債務者の場合、一部の借入先だけの借金を整理することができます。
⑦今後の利息と、これまでの遅延損害金を支払う必要がなくなる場合があります。任意整理は、今後３年間（※最長で５年間です）で完済を目指すことを目的としているので、債権者がこれに合意をしてくれる場合がほとんどです。
(２) 任意整理のデメリット
①信用情報機関に事故情報として登録されてしまう（※いわゆるブラックリストです）ことがあり、５～７年は、自己名義のクレジットカードを作ったり、新たな借入をすることはできなくなる場合があります。
②自己破産手続などのように、借金の全額や一部が免除されるわけではありません。借金が減額されるのは、「引き直し計算」をした結果、返済した過剰利息分が元本に充当さる場合だけです。
③任意整理は、裁判所を介さない債権者との直接交渉ですので、そもそも、債権者が交渉に応じてくれず、和解に至らない場合があります。
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